たまごかけごはんを「会社」で食べたい【後編】

こんにちは、企画課の津田です。

前回の記事で、技術部の入江さんが快く(?)
僕のためにたまごを守って頂ける対策を練って頂けることになりました。

技術部の腕の見せ所です。

まずはデータ作成から

まずはこのたまごの計測ですね…
それを囲うように何か作りましょう。

んー…ノギスですか?大事なたまごです、傷つけないで欲しい。

食べる時どうせ割るやん…

それ、何やってるんですか?

藤中さん
大阪本社、技術部。主に検査測定器や3Dスキャナを担当。
スキャニングの受託サービスにも日々取り組み中。

たまごの3Dデータを作成してもらいたいんです…。

あ、ちょうどいいのがありますよ!

おぉ、先日リリースしたSCAN in a BOXですね!
そうそう、ちょうど今作業も終わったところで機械も空いてるし、
スキャンしましょうか。

たまごを3Dスキャン

こちら、たまごです。

ではさっそく…

ちょ、ちょっと、何付けてるんですか?
(ぼくの大事なたまご…)

こういう、対象ワークに起伏や穴といった特徴が無い場合、
スキャン後の位置合わせが難しくなるんですよ。

位置合わせ…?

3Dスキャンのデータは、最初から一つのデータになっているんじゃなくて、
いろんな方向から取得した3Dデータを組み合わせて一つにするんです。

なので、こういった「参照物」を基に各ショットの位置合わせをします。
今回は簡易固定用の練り消しゴムのような物を取り付けてスキャンしていきます。

両面のデータが取れたので
各スキャンデータを合わせます。

別の専用ソフトウェアに移すんですか?

いえいえ、製品に標準付属のソフトウェアが優秀なんですよ。
ちょっと見てて下さい。

上下ひっくり返してスキャンした各データを…

今回付けた印を3箇所選んで…ほらっ。あっという間でしょ?

おぉ!本当にあっという間ですね!

ん?ちょっと待って

このイボはどうするつもりですか(怒

イボってそんな…まぁまぁ、慌てないで津田さん。
きちんと処理しますから。

 

削除したい部分を選んで…

削除ッ!!
削除した部分は、当たり前ですがスキャンデータに穴が空いてしまいます。
次に、埋めたい穴を選んで…

穴埋め!(※タッチパネルではありません)

穴の周囲から曲率を計算して、自動的に埋めてくれるんです。
高機能な専用ソフトウェアにも搭載されているような優れた機能です!

スキャン完了ッ!

ありがとうございました!
さっそく入江さんにデータを作ってもらおう!!

3Dプリントで作ってみよう!

入江さん!入江さん!
3Dスキャンデータ作ってもらいました!
わかりました。なんとなく、形は見えてるので
さっそく作っていきますね。

スキャンデータをRhinocerosで読み込みます。

サイズを確認しながら、少したまごとの隙間を開けつながら、
守れそうな形を作っていきます。

こんなもんでいいかな、津田くん

え?もうできたんですか!
実はすでにたまごを守りたかったんじゃないんですか!?

なんでやねん!とりあえず作ってみただけで、
ほんとにどこまで守れるかは保障しませんよ…?
Belluloで造形しておくので、またできたら取りに来てください。

あと一応、PolFlexで作っておきます。Belluloで使える材料の中で、
柔軟性を持ち、破断しにくいのものなので。

たまご、守ってみる

さっそく造形物をいただきました。

すごい!なんか守れそう!ありがとうございます入江さん。
これで僕はどこでもたまごかけごはんが食べられます!
あ、そう…よかったね…。

翌日

今日は無事かな…?

がばっ

やった!!!割れてない!!
やっぱりありがとう!入江さん!!

今日こそたまごかけごはんが食べられますよ!五島さん!

え、また?割れてるんじゃ…?


ニタァ…

わ、なにそれ!すごい!
でしょ!入江さんに作ってもら…
前から思ってたけど、たまご
近所のコンビニで売ってるよ?

あー……

歩いて3分のコンビニに、たまごが売っているだなんて、”企画”課の人間としては
あまりに調査不足な結果となってしまいました…。


しかし、3Dスキャナ・3Dプリンタを使ってたまごを守ることはできました!

ノギスでは測りにくい曲面で構成されたものは
3Dスキャナを活用することで、外形寸法の取得が可能です。

スキャンデータを基にした設計でたまごはもちろん守れますし
ゼロからCADで3Dデータを作成するよりも、大幅に工程の削減ができそうです。

今回使用した製品はこちら