ヘアドライヤのアタッチメントを耐熱樹脂で3Dプリントしてみた

3Dプリンタで文字通り「アイデアを形に」

こんにちは営業企画課の鳥居(とりい)です。

足立正面鳥居(とりい)
大阪本社、営業部企画課。広報物製作を補佐的に進めています。修行中の身です。ちょっとヘコんでいます。

早速ですが、今しがた上司に怒られました。 その理由はこちら。

そんなまさか

洗濯不精がたたって、左右で色の違う靴下を履いてきてしまったのです。
このところ前日に干したぐらいでは乾かないですよね…
社内で誰かが僕を見て笑ってる。やだぁ。

この靴下って衣類の中でも比較的薄いんだし、もう少し乾きやすくてもいいんじゃないか?

ひらめいた!

あ。ひらめいた!

靴下に温風を吹き込む仕組みを考えよう。

ヘアドライヤ

筒形状に温風を吹き込むといえばこれ。 ヘアドライヤです。(すでに円筒形がメインの構造ですしね)
極限られた人しか知らないと思うけど、実はヘッド部分が簡単に取れるんですね。
(僕はよくわからず、分解しようとして一部スイッチが壊れるトラブルを乗り越えています)
というわけで、ヘアドライヤに取り付けるアタッチメントを考えました。

さっそくアイデアスケッチだ!

アイデアスケッチ

なんやそれ…?

李さん李さん
大阪本社、技術部。主に3Dプリンタや受託造形をを担当。
造形に関する疑問に親身に応えてくれる心優しい中堅社員。

実は…かくかくしかじか

かくかくしかじか

なるほど、よう分かった。どんな素材を想定しているか知らんけど…
その用途と形状やと造形がええと思うで。
えぇ?どういうことですか?
(そそのかしたら作ってくれるかも!)
パイプ形状は切削よりも造形のほうがええよ。
なるほど、今ある切削加工のデモ機だと、工具が入らないですもんね。
(いけるかも…?)
へぇ。耐熱樹脂ってどんなのがあるんですかね?
ULTRAの造形樹脂にもありましたよね(乗ってきた…!)
FortusにもULTEM1010という耐熱樹脂があるよ。
ええやんそれ。それいこう。(いける…!)
データさえあれば検証するよ
ありがとうございます。(計画通り[ニタァ])

というわけで、チョコレート菓子と引き換えにモデリングデータを入手

靴下を乾かすモデリング

技術部の浅野くんありがとう。

浅野浅野くん
技術部の同期。李さんと同様3Dプリンタ関連の納品・サポート業務を担当。
…え、あれ?僕これだけですか?

李さん。データ持ってきました。
よしきた

8時間後に造形が完了

造形できてるよ。さぁ、シートごと取り出してサポート除去や。

わくわくしながらプリンタから取り出します。

…ニタァ

熱い

熱ッ!!※マネしないでください。

熱すぎて笑った

耐熱樹脂フィラメントを溶かす温度環境に佇んでいたわけですからね…。思わず笑っちゃうほど熱さでした。

耐熱防具

約200℃やからね。普段はこれを使うよ。
・・・。

取り出しどや顔

しっかり造形できています。

さすがにサポートは手で取り外せないのでこれを。

工具

コツを教えてもらいながらサポート除去。

サポート除去中

ついに完成!アタッチメント設計やいかに・・・?

ULTEM造形完成

取り付けてみましょう!

取り付けてみる

カポッ

おお、しっかりと嵌りました!何一つ自分で設計してないけどすごい感動を得られました!

こちらの脱水したての靴下を乾かしてみます。

乾かす

ブォォォーーーン・・・・

(轟音と共に社内から冷ややかな視線)

乾いた!

乾いている!

これなら、忙しい朝でも10分あれば乾きそう!とんでもない製品を作ってしまった…

こうしてはいられない。早くこの偉大な発明を上司に報告しなくては。

ものすごいものを発明しました!これで左右違う靴下を履かざるを得ない悲しい社員は救われます!
(無論、商品化でしょ)

商品化しよう!

…。

すみませんでした

企画は崩れましたが、耐熱樹脂で造形したヘッド部品は熱風でも崩れませんでした。

今回の造形素材である『ULTEM1010』は3Dプリント用樹脂のなかでも最高クラスの耐熱温度213℃を誇る高機能樹脂です。また、モデリングには『Rhinoceros』というソフトウェアを使用しました。
システムクリエイトでは当ソフトウェアの講習会を毎月開催しております。