社長ブログ

季節のギャップを感じる9月

 9月に入り、夕暮れが少しずつ早くなってきました。空が赤く染まる時間も早まり、「もう秋が近いな」と感じるはずの季節です。ところが、外に出てみると気温はまだ真夏並み。日差しも強く、汗ばむ暑さに思わず「これで秋なの?」とツッコミたくなります。
 日の入りは確かに秋を告げているのに、体感は夏そのもの。このギャップがなんとも不思議で、例年以上に季節の移り変わりを意識してしまいます。

 今年2025年夏(6月〜8月)の日本の平均気温は、統計開始(1898年)以来、史上最も高温となりました。まさに「記録的な暑さ」が続いた年だからこそ、9月に入っても秋らしさを実感しにくいのかもしれません。気候変動の影響は私たちの暮らしのリズムさえ変えてしまい、当たり前だと思っていた「四季の感覚」にも揺らぎが出てきているように思います。

 今年の9月は、空は秋、気温は夏。そんな「二つの季節が同居している」ような日々を楽しみながら過ごしていくのも悪くないかもしれませんね。

 服装選びも難しい時期ですが、朝晩は少しずつ涼しくなってきています。冷たい飲み物から温かい飲み物にシフトしてみたり、夜風にあたりながら秋の虫の声に耳を澄ませてみたり――。
 小さな工夫をすることで、この季節ならではの心地よさを味わえる気がします。

 そして、ふと思うのはビジネスの世界も同じように「二極化」しているということです。新しい挑戦に踏み出す企業と、様子を見ながら足踏みを続ける企業。その違いは目に見える成果よりも、「どちらのスタンスで動いているか」という姿勢の差として表れてきている気がします。

 気候が変わり、常識だった四季のリズムが揺らぐように、ビジネス環境もまた変化のスピードを増しています。その中で大切なのは、「変化を受け止め、柔軟に対応する力」。
 だからこそ、私たち一人ひとりにできる行動のヒントは――

・小さな変化を前向きに取り入れること(例:新しいツールを試す、生活習慣を少し変える)
・周囲の変化に敏感になること(市場や人の気配を察知する力を磨く)
・揺らぎを楽しむこと(完全な答えを求めず、変化の中で学びを見つける)
 
 夏と秋が同居する9月のように、ビジネスの現場も白黒はっきりしない曖昧さの中にこそチャンスがあります。
変化の揺らぎを「不安」ではなく「可能性」と捉えることが、次の一歩につながっていくのではないでしょうか。