社長ブログ

本を読む人と読まない人の差

最近、若い人から「おすすめの本はありますか?」と聞かれることがあります。

私は特別な読書家ではありませんが、独立してから今日までの間、多くの本に助けられてきました。
そして今、強く感じていることがあります。
それは、「本を読む人と読まない人の差は、知識の差ではない」ということです。

もちろん、本を読めば知識は増えます。
しかし、インターネットやAIが発達した今、知識そのものには以前ほど大きな価値はありません。
分からないことは検索すればすぐに調べられますし、AIに聞けば答えてくれます。
では、本を読む人と読まない人の差は何でしょうか。

私は「判断力の差」だと思っています。

経営をしていると、毎日のように判断を迫られます。
新しい事業に挑戦するか。
設備投資を行うか。
撤退するか。
こうした判断に正解はありません。

その一方で、本を読む人は、自分一人の経験だけでなく、多くの先人の成功や失敗を疑似体験しています。
ドラッカーを読めば、経営者としての視点を学ぶことができます。
歴史小説を読めば、時代が変わっても人間の本質は変わらないことを知ります。
ノンフィクションを読めば、困難な状況を乗り越えた人の考え方に触れることができます。
つまり、本を読むことは「人生のサンプル数を増やすこと」なのです。
自分の人生だけでは経験できることに限界がありますが、本を読むことで、何百人、何千人もの人生の追体験ができます。

私は若い頃、本を読む時間がもったいないと思っていた時期もありました。
ですが、今は逆です。
本を読む時間は、人生を遠回りしないための時間だと思っています。

また、本を読む習慣がある人には、もう一つ特徴があります。
それは、自分の考えを疑うことができることです。

人は経験を積むほど、自分の考えが正しいと思い込んでしまいがちです。
ところが、本を読むことで、自分とは異なる価値観や考え方に出会います。
そのたびに、 「本当にそうだろうか」 「別の見方もあるのではないか」 と考える機会を得ることができます。
変化の激しい時代において、この姿勢は非常に重要です。
私自身、独立を決断した時には、多くの本から勇気と知恵をもらいました。
もし本を読んでいなければ、今とは違う判断をしていたかもしれません。

最後に、若い人へ伝えたいことがあります。
年間100冊読む必要はありません。
難しい本を読む必要もありません。
まずは自分が興味を持てる1冊を手に取ってみることです。
月に1冊でも、1年で12冊。 10年続ければ120冊になります。
その積み重ねは、きっと人生のどこかで大きな差となって現れるでしょう。

本を読む人と読まない人の差。
それは知識の差ではなく、人生の選択肢と判断力の差なのだと思います。