心に響いた一冊

知人から高田 郁さんの本『銀二貫』がいいですよ。
と聞いたので早速読ませてもらいました。

ストーリーは、

大坂天満の寒天問屋 井川屋店主の和助が

仇討ちの場に遭遇し、侍の子“鶴之輔”を「銀二貫」で助ける。
それは大火で焼失した天満宮再建へ寄進する大事なお金だった。
そして鶴之輔は“松吉”と名をかえ丁稚として生きていくことになり

幾多の苦難を乗り越えていく…

というものです。

読み始めると止まらなくなり、ほぼ2日で読み終えてしまいました。

この本では、商人にとって一番大切なのは信用であり

「始末、才覚、神信心」が商人の日々の生活の要であると説いています。

本当に心に響くいい話で、

江戸時代の大阪商人の優しさ、粘り強さ、神信心の強さを

改めて感じることができました。

また、「暖簾は預かりものとして代々と渡していくため絶対に守りぬかなければならないもの」という思想から商人が信用を重んじるようになったことを理解できました。

日本に江戸時代以来200年以上続く老舗企業が

938社もあることにうなずける気がします。

世の中がめまぐるしく変わるネット社会

ビジネスも「今」を最優先とせざるを得ず、長期視点を持つことが難しくなり
つい「信用」を後回しにしがちではあります。

『銀二貫』には、次世代のことまでを考える心の大切さを学ばせて頂きました。